- 普通建物賃貸借契約で、賃料改定は協議により行うという特約がある場合でも、当事者間で協議が調わないときは、賃貸人は、賃料増額請求権を行使することができる。
- 定期建物賃貸借契約で、契約期間中は賃料の増減をしないという特約があるときでも、賃借人は、賃料減額請求権を行使することができる。
- 賃貸人が賃料増額請求権を行使した場合において、賃借人がその請求が到達してから1か月以内に異議を述べなかったときは、賃料は、請求到達後1か月が経過した時点から増額される。
- 賃借人が複数の場合、賃貸人による賃料増額請求権行使の通知が賃借人の一部に対してなされたときでも、賃貸人はすべての賃借人に対し、増額後の賃料を請求することができる。
経済情勢の変化(固定資産税の増減、土地価格の変動、近隣相場との乖離など)により賃料が不相当になった場合、当事者は「いつでも」将来に向かって賃料の増減を請求できます(借地借家法第32条第1項)。これは、契約期間中であっても認められる強力な権利です。
契約書に「賃料改定は話し合い(協議)で決める」と書いてあっても、それはあくまで円満な解決を期待する努力目標に近いものです。もし話し合いがまとまらない(協議が調わない)場合にまで、この権利を封じ込めることはできません。
定期建物賃貸借(いわゆる定期借家契約)においては、「賃料の改定に関する特約」がある場合、借地借家法第32条(借賃増減請求権)の規定は適用されません(借地借家法38条9項)。 つまり、定期借家では「特約が法律に優先する」という特別なルールがあります。
本問のように「期間中は賃料を上げないし、下げない」という特約(不増減特約)を結んだ場合、その約束が絶対となります。
つまり、貸主からの増額請求はできないし、借主からの減額請求もできないです。
したがって、賃借人は賃料減額請求権を行使することができません。
借賃増減請求権は、法律上「形成権」と呼ばれます。これは、相手方の承諾がなくても、「値上げします(あるいは値下げします)」という意思表示が相手に届いた瞬間に、法的な効力(賃料変更の効果)が発生するという非常に強力な権利です。
「1か月経過後」から増額されるのではありません。
「請求の意思表示が相手方に到達した時点」から、直ちに新しい賃料が適用されます。
賃貸借契約の借主が複数(例えば、共同で事業を行うAさんとBさん)いる場合、賃料増額の請求は「借主全員」に対して行わなければなりません。
Aさんにだけ通知して「Bさんにも伝えておいて」は通用しません。
Aさんにだけ通知して「Aさんの分だけ値上げ」もできません。
もし賃貸人が借主の一部にしか通知しなかった場合、その通知を受けた人との関係においてすら、増額の効力は一切生じません。 つまり、その請求自体が「なかったこと」と同じ扱いになってしまいます(最判昭54.1.19)。
令和7年・2025年の賃貸不動産経営管理士過去問
- 問1
- 成年被後見人
- 問2
- サブリース
- 問3
- 賃貸借
- 問4
- 定期建物賃貸借契約
- 問5
- 賃貸借契約
- 問6
- 建物賃貸借
- 問7
- 賃貸借
- 問8
- 賃貸住宅管理業法
- 問9
- 賃貸住宅管理業法
- 問10
- 賃貸住宅管理業法
- 問11
- 賃貸住宅管理業法
- 問12
- 委任契約
- 問13
- 賃貸住宅管理業法
- 問14
- 賃貸住宅管理業法
- 問15
- 賃貸住宅管理業法
- 問16
- 賃貸住宅管理業法
- 問17
- 賃貸住宅管理業法
- 問18
- 賃貸住宅管理業法
- 問19
- 賃貸住宅管理業法
- 問20
- 賃貸住宅管理業法
- 問21
- 賃貸住宅管理業法
- 問22
- 障害を理由とする差別解消の推進法
- 問23
- 住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者)
- 問24
- 個人情報保護法
- 問25
- 賃貸住宅管理業法
- 問26
- 設備
- 問27
- 相隣関係
- 問28
- 建物賃貸借
- 問29
- 借地借家法
- 問30
- 金銭管理
- 問31
- 金銭管理
- 問32
- 原状回復ガイドライン
- 問33
- 原状回復ガイドライン
- 問34
- 金銭管理
- 問35
- 建物の構造
- 問36
- 鉄筋コンクリート造
- 問37
- 漏水
- 問38
- 防火管理
- 問39
- 給水設備
- 問40
- 登記
- 問41
- 土地の価格
- 問42
- 税金
- 問43
- 火災保険
- 問44
- 空家対策法
- 問45
- 賃貸管理士等の役割
- 問46
- 入居者の募集
- 問47
- 建築基準法
- 問48
- 駐車場・エレベーターの管理
- 問49
- 給湯設備
- 問50
- 統計

