- 空家対策法による空き家対策の3つの柱は、登記の義務化、管理の確保、建物状況調査の推進である。
- 市町村長は、そのまま放置すれば特定空家になるおそれのある空家を所有者不明空家として認定し、管理指針に即した措置を指導・勧告することができ、勧告を受けた所有者不明空家は、固定資産税の住宅用地特例の適用が除外される。
- 空家等活用促進区域は、市町村が区域や活用指針等を定め、用途変更や建替え等を促進する区域である。
- 市町村長から指定されたNPO法人、社団法人等の空家等管理活用支援法人の役割は、所有者等への普及啓発、市町村長から情報提供を受けた所有者等との相談対応を行うことであり、市町村長に財産管理制度の利用を提案することは認められていない。
本肢は、空家対策法(正式名称:空家等対策の推進に関する特別措置法)における「空き家対策の3つの柱」の内容が誤っています。
正しい「3つの柱」は以下の通りです。
- 空家等の活用の促進(空き家を再利用する)
- 特定空家等の発生の未然防止(放置されないようにする)
- 管理不全空家等・特定空家等への対応(危険な状態の空き家を是正する)
管理不全空家等とは、放置すれば「特定空家(倒壊の恐れなどがある危険な状態)」になる恐れがある空き家のことです。市区町村長から指導・勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(減税措置)が解除されるという厳しいペナルティがあります。
問題文では「所有者不明空家として認定し」とありますが、正しくは「管理不全空家等」として市区町村長が認定し、指導や勧告を行います。
2023年の空家対策法の改正によって、空き家の分類がより厳格化されました。以前は、倒壊の危険が著しい「特定空家等」にならなければ、行政が強い措置を講じることが難しい側面がありました。しかし、それでは手遅れになるケースが多いため、新たに「管理不全空家等」という区分が設けられたのです。これは、放置すればいずれ特定空家になってしまう恐れがある、いわば「イエローカード」の状態の空き家を指します。
この管理不全空家等に対して、市区町村長は適切な管理を求める「指導」を行い、それに従わない場合にはより強い「勧告」を出すことができます。そして、この勧告を受けた段階で、土地にかかる固定資産税の「住宅用地特例(税額を最大6分の1に減額する措置)」の適用が除外されることになります。つまり、ボロボロの家を放置し続けると、土地の税金が跳ね上がるという経済的なペナルティが課されるわけです。
問題文にある「所有者不明空家」という言葉は、文字通り持ち主が分からず対策が進まない空き家を指す用語であり、今回の「管理状態の悪化に伴う税制ペナルティ」の文脈で使われる認定名としては誤りです。
近年、都市部の中心市街地や観光地などにおいて、空き家が増えることで地域の活気が失われたり、建物の有効活用が妨げられたりするケースが増えています。しかし、これまでは建築基準法や都市計画法の公的な規制(用途制限や接道義務、容積率など)が壁となり、古い空き家をカフェに改修したり、新しく建て替えたりすることが難しいという課題がありました。
そこで新たに導入されたのが、この「空家等活用促進区域」という制度です。この制度では、市町村が「このエリアの空き家を積極的に活用しよう」と決めた区域について、あらかじめ「活用指針」を定めます。
この区域に指定されると、大きなメリットが生まれます。例えば、本来の用途制限では認められないような施設への用途変更(住宅を店舗や宿舎にするなど)や、接道義務を満たさない場合の建替えなどについて、建築基準法などの特例を受けやすくなるのです。
つまり、市町村が主導となって「ルールを少し柔軟にするから、どんどん空き家を再生して地域を盛り上げよう」と働きかける仕組みが「空家等活用促進区域」です。
本肢は、最後の「財産管理制度の利用を提案することは認められていない」という部分が明確に誤りであり、不適切です。
「空家等管理活用支援法人」とは、市町村に代わって、あるいは市町村と協力して空き家対策の実務を担う専門組織(NPO法人や一般社団法人など)のことです。彼らの役割は、単に「相談に乗る」といった窓口業務だけではありません。
空き家問題の現場では、「所有者が亡くなって相続人が誰かわからない」「相続人全員が相続放棄して管理者がいない」といった、法的なトラブルが原因で放置されているケースが非常に多く見られます。こうした複雑な事案を解決するため、支援法人は市町村長に対し、「民法の財産管理制度(相続財産清算人などの選任)を利用してはどうか」と提案する権限が与えられています。
つまり、建物を壊したり売却したりする前段階として、法的に「誰がこの物件を扱うか」を整理するための手続きを、プロの視点から行政にアドバイスできるようになったのです。
令和7年・2025年の賃貸不動産経営管理士過去問
- 問1
- 成年被後見人
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- サブリース
- 問3
- 賃貸借
- 問4
- 定期建物賃貸借契約
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- 賃貸借契約
- 問6
- 建物賃貸借
- 問7
- 賃貸借
- 問8
- 賃貸住宅管理業法
- 問9
- 賃貸住宅管理業法
- 問10
- 賃貸住宅管理業法
- 問11
- 賃貸住宅管理業法
- 問12
- 委任契約
- 問13
- 賃貸住宅管理業法
- 問14
- 賃貸住宅管理業法
- 問15
- 賃貸住宅管理業法
- 問16
- 賃貸住宅管理業法
- 問17
- 賃貸住宅管理業法
- 問18
- 賃貸住宅管理業法
- 問19
- 賃貸住宅管理業法
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- 賃貸住宅管理業法
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- 建物賃貸借
- 問29
- 借地借家法
- 問30
- 金銭管理
- 問31
- 金銭管理
- 問32
- 原状回復ガイドライン
- 問33
- 原状回復ガイドライン
- 問34
- 金銭管理
- 問35
- 建物の構造
- 問36
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- 建築基準法
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