ア 社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている。
イ 不動産管理業者が、歩行障害を有する者に個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。
ウ 不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、障害者の社会的障壁を除去するために必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている。
エ 電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている。
- ア、イ
- ア、エ
- イ、ウ
- ウ、エ
努力義務は誤りです。正しくは法的義務です。
障害者差別解消法では、事業者に対して、障害を理由にした不当な差別的取扱いをしてはならないこと、また社会的障壁を取り除く取組を実施するに当たり、必要かつ合理的な配慮を行うことを法的に義務付けています(障害者差別解消法8条)。
つまり、障害者から「社会的障壁を取り除いてほしい」という意思表示があった場合、事業者は負担が重すぎない範囲で、必要かつ合理的な配慮を提供しなければなりません。
不動産管理業者が、歩行障害を有する者やその家族等に、個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しません。
障害者差別解消法における「合理的配慮」は、無限に何でも受け入れなければならないというルールではありません。
法律では、合理的配慮の提供について「その実施に伴う負担が過重でないとき」という条件が付いています。
つまり、事業者の規模や体制から見て、物理的・経済的・人的に「どうしても無理がある」場合は、提供しなくても直ちに義務違反にはなりません。
単に「無理です」と突っぱねるのではなく、問題文にある通り「理由を説明した上で」断ることが重要です。
国土交通省の指針では、以下のプロセスを求めています。
- 要望を受ける:個別訪問してほしいと言われる。
- 検討する:今の人数で外回りに行けるか確認する。
- 対話する:体制上難しい理由を説明し、代替案(例:オンライン重説の活用など)を提案する。
合理的配慮を提供等するために必要な範囲でプライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たりません。
「障害のことを聞くのは失礼(あるいは差別)にあたるのでは?」と躊躇してしまいそうですが、法律の目的は「バリアを取り除くこと」です。そのためには、相手がどのような困難を抱えているかを知る必要があります。
指針では、以下の条件を満たせば「不当な差別的取扱い」には該当しないとしています。
- 目的: 合理的配慮を提供するため(例:どのようなスロープが必要か、どのような説明方法が良いかを知るため)。
- 範囲: 必要な範囲内に留めること。
- 方法: プライバシーに十分に配慮すること(例:他のお客さんに聞こえない場所で話すなど)。
逆に「不当な差別」になるのは以下のようなケースです。
- 「障害があるなら、入居審査で落とすから詳しく教えて」と聞き出す。
- 必要もないのに、根掘り葉掘り病名や障害の等級を聞き出す。
「自社のルールですから」と一蹴することは、法が求める「建設的な対話」を放棄しているとみなされます。
障害者差別解消法が求めているのは、既存のルールを機械的に適用することではなく、障害の特性に合わせてルールを柔軟に運用することです。
「本人確認は電話のみ」というマニュアルがあっても、聴覚障害などで電話が困難な方に対しては、メールやチャット、あるいはビデオ通話での筆談など、代替手段を検討する義務があります。
問題文にもある通り、「具体的に対応方法を検討せずに」断ることが違反のポイントです。
もしメール対応がどうしてもセキュリティ上不可能だとしても、「では、店舗での対面筆談はどうですか?」といった代替案の模索(調整)を行わなければなりません。
令和7年・2025年の賃貸不動産経営管理士過去問
- 問1
- 成年被後見人
- 問2
- サブリース
- 問3
- 賃貸借
- 問4
- 定期建物賃貸借契約
- 問5
- 賃貸借契約
- 問6
- 建物賃貸借
- 問7
- 賃貸借
- 問8
- 賃貸住宅管理業法
- 問9
- 賃貸住宅管理業法
- 問10
- 賃貸住宅管理業法
- 問11
- 賃貸住宅管理業法
- 問12
- 委任契約
- 問13
- 賃貸住宅管理業法
- 問14
- 賃貸住宅管理業法
- 問15
- 賃貸住宅管理業法
- 問16
- 賃貸住宅管理業法
- 問17
- 賃貸住宅管理業法
- 問18
- 賃貸住宅管理業法
- 問19
- 賃貸住宅管理業法
- 問20
- 賃貸住宅管理業法
- 問21
- 賃貸住宅管理業法
- 問22
- 障害を理由とする差別解消の推進法
- 問23
- 住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者)
- 問24
- 個人情報保護法
- 問25
- 賃貸住宅管理業法
- 問26
- 設備
- 問27
- 相隣関係
- 問28
- 建物賃貸借
- 問29
- 借地借家法
- 問30
- 金銭管理
- 問31
- 金銭管理
- 問32
- 原状回復ガイドライン
- 問33
- 原状回復ガイドライン
- 問34
- 金銭管理
- 問35
- 建物の構造
- 問36
- 鉄筋コンクリート造
- 問37
- 漏水
- 問38
- 防火管理
- 問39
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- 問40
- 登記
- 問41
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- 問42
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- 問43
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- 問44
- 空家対策法
- 問45
- 賃貸管理士等の役割
- 問46
- 入居者の募集
- 問47
- 建築基準法
- 問48
- 駐車場・エレベーターの管理
- 問49
- 給湯設備
- 問50
- 統計

