- 借主が死亡し、相続人全員が相続放棄をした場合、貸主は当該私物を廃棄することができる。
- 共用部分に私物が放置されている場合、私物の所有者が不明なときは、管理会社は私物を廃棄することができる。
- 借主が行方不明となった場合、保証人の了承があったとしても、貸主は貸室内の私物を廃棄することはできない。
- 借主が行方不明となった場合、賃貸借契約書に貸主が貸室内の私物を処分することができる旨の記載があったとしても、貸主は私物を廃棄することができない。
- ア、イ
- イ、ウ
- ア、エ
- ウ、エ
ア・・・不適切
相続人全員が相続放棄をした場合、相続人となるべき人がいなくなります。この場合、相続財産は、相続財産管理人が管理処分権を持ちます。そのため、賃貸借契約も相続財産管理人が管理することとなるので、貸主が勝手に私物を廃棄することはできません。
イ・・・不適切
私物の持ち主が不明であっても、管理会社は私物を廃棄することはできません。よって、不適切です。
ウ・・・適切
借主が行方不明となった場合でも、私物の所有権は借主にあります。そのため、保証人の了承があっても私物を処分することはできません。私物を処分するためには、公示送達を申し出て、契約解除を行います。したがって、本肢は適切な記述です。
公示送達とは、相手方の住所がわからない等の場合に、一定期間裁判所の掲示板に掲示することにより送達の効果を生じさせることを言います。
エ・・・適切
借主が行方不明となった場合でも、私物の所有権は借主にあります。そして、自力救済は禁止されています。
自力救済とは、例えば、退去しない賃借人がいたら、貸室の中の荷物を勝手に外に出し、鍵を交換して強制的には入れないようにすることを言います。難しい言葉でいうと、「権利を実現するため、裁判所の正当な手続を経ずに、自らが実力を行使して権利を実現しようとすること」を、自力救済といいます。
私人が、裁判所の手続きを経ることなく自己の権利の実現を認めることは、社会秩序に混乱を招くことになるため、自力救済は違法であり、禁止されています。分かりやすく言うと、上記のように、「荷物を勝手に外に出し、鍵を交換して強制的には入れないようにすること」が横行すると、社会秩序が乱れてしまうため、禁止しているということです。
よって、借主が行方不明となった場合、賃貸借契約書に貸主が貸室内の私物を処分することができる旨の記載があったとしても、貸主は私物を廃棄することができないです。したがって、本肢は適切な記述です。
令和2年・2020年の賃貸不動産経営管理士過去問
- 問1
- 不動産業
- 問2
- 賃貸住宅管理業者の社会的責務
- 問3
- 個人情報保護法
- 問4
- 賃貸不動産経営管理士
- 問5
- セーフティネット住宅
- 問6
- サブリース契約
- 問7
- 賃貸住宅管理業法
- 問8
- 賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
- 問9
- 賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
- 問10
- 賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
- 問11
- 賃貸借
- 問12
- 管理受託契約とサブリース契約
- 問13
- 契約の成立・契約書
- 問14
- 特定賃貸借標準契約書
- 問15
- 賃貸住宅標準管理受託契約書
- 問16
- 宅建業法
- 問17
- 宅建業法
- 問18
- 宅建業法・景表法
- 問19
- 賃貸借(定期建物賃貸借)
- 問20
- 賃貸借(敷金)
- 問21
- 賃貸借(賃料の供託)
- 問22
- 賃貸借(弁済の充当)
- 問23
- 賃貸借(修繕)
- 問24
- 賃貸借(解除)
- 問25
- 賃貸借と破産
- 問26
- 賃貸借(保証)
- 問27
- 賃貸借(抵当権)
- 問28
- 賃貸借(更新・終了)
- 問29
- 建物明渡訴訟・強制執行
- 問30
- 賃貸借(廃棄物)
- 問31
- 原状回復ガイドライン
- 問32
- 原状回復ガイドライン
- 問33
- 個人情報の取り扱い
- 問34
- 賃貸借(未収賃料の回収)
- 問35
- 賃貸借(賃料の増減額請求)
- 問36
- 防犯・防火対策
- 問37
- 建物の修繕履歴
- 問38
- 建物設備(屋根・外壁)
- 問39
- 建物設備(漏水)
- 問40
- 建物設備(給水設備・給湯設備)
- 問41
- 建物設備(電気設備)
- 問42
- 保険
- 問43
- 贈与税・相続税
- 問44
- 不動産所得
- 問45
- プロパティマネジメント
- 問46
- 住生活基本計画
- 問47
- 賃貸不動産経営管理士の倫理憲章
- 問48
- 建築基準法(天井)
- 問49
- 不動産の税金
- 問50
- 不動産証券化