避雷設備の設置義務等
高さが20mを超える建築物・工作物には、原則として、有効に避雷設備を設置しなければなりません。ただし、高さ20mを超える建築物でも、周囲の状況によって安全上支障がない場合には避雷針を設置しなくてもよいです(建築基準法第33条)。
避雷設備の種類と対策
避雷設備には、「建物の保護を目的とする外部雷保護システム」と「建物内の機器の保護を目的とする内部雷保護システム」があります。
住戸や共同住宅などでは、雷サージ電流による停電やテレビ・電話などの故障が発生するおそれがあります。これらの事故を防ぐために、「内部雷保護システム」が必要となります。内部雷保護システムには、「雷保護用等電位ボンディング」と「サージ防護デバイス」の2つがあります。
※ 雷サージ電流とは、雷によって発生する有害な過電圧や過電流のことをいい、雷サージによって電気機器は絶縁破壊や誤作動・劣化などの影響を受ける。その被害は数km先まで及ぶと言われている。
雷保護用等電位ボンディング
雷保護用等電位ボンディングシステムは、「ボンディング用バー」と「金属構造体や電力引込み線および通信線などをボンディング導体」を用いて接続し、雷撃時に発生する導電性部分間の電位差を低減するものです。
ボンディング用バーは、屋外から屋内に引き込む電力、通信線などの引込み口の近くに設置し、大地に接地(アース)します。
サージ防護デバイス(SurgeProtectiveDevice)
サージ防護デバイス(以下、「SPD」という)は、アレスタとも呼ばれ、種類が多く、想定される雷電流、保護する機器の過電圧耐量などに適合した性能を有するものを設置し、大地に接地(アース)します。
住戸や集合住宅などのSPDの設置場所は、電力線および通信線の引込み口の近傍とし、SPD劣化時の警報発出と動作時短絡電流を遮断できる過電流保護器による保護が必要です。
また、高圧受変電設備からの電気の供給を受ける場合は、電源用SPDを配電盤に設置します。