入居審査の確認事項
申込物件にあった職業、年齢、家放構成、年収等の妥当性のチェック(入居審查)します。この入居審査において確認すべき事項は、次のとおりです。
- 氏名・住所の確認。とくに、実際に申込みを行っている人物が、書類上の申込者と同一であるかどうかを確認すること。例えば、「住宅地図で所在を確認」電話番号を確認」「自宅・勤務先の確認」「信用調查機関などで事故歴の確認」
- 借受希望者が法人の場合、会社案内、商業登記記録(登記事項証明書)のチェック
- 借受希望者・法人の関係者が反社会的勢力でないかどうかの確認
- 職業、年齢、家族構成・年収などが申込物件にあった妥当なものかの確認。例えば。「賃料と年収のバランスがとれているか(年収に比べ賃料の高い物件を求めている場合)」「勤務地との距離」「転居の理由」「同居人の属性」「勤続年数」「これまでに隣人とトラブルを起こしているなど、近隣関係に問題を生じさせる可能性を示す情報はないか」「保証人との関係、連帯保証人の年齢、職業、収入状況など」
- 家賃債務保証会社の審査(家賃債務保証会社利用の場合)
- 申込者が外国人の場合、パスポート又は住民票を確認
入居審査における必要書類
入居審査における必要書類には下記のようなものがあります。- 住民票:借受希望者のものか、発行3か月以内の原本かを確認する
- 所得証明書(源泉徴収票など):会社の押印はあるかを確認して、直近の原本をコピーする
- 免許証:住民票住所との照合して、コピーする
- 印鑑証明:実印との照合し、発行3か月以内の原本かを確認する
- 保証人の承諾書:実印と照合する
なお、申込者が高齢の場合、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の精神に鑑み、理由なく拒んではいけません。また、障害があるというだけで入居を拒むことは、障碍者差別解消法に違反します。自治体の「高齢者入居賃貸住宅制度」などを確認し、入居の促進に努めることが望ましいです。
最終決定
入居者の最終決定権者(決定権者の最終判断)
管理受託方式では、通常、管理業者に任されているのは、①借受希望者の調査を行い、②借受希望者と交渉する行為です。「借受希望者が当該物件に入居するのにふさわしいかどうか」、あるいは「交渉の結果出てきた入居条件の妥当性など」を最終的に判断するのは賃貸人です。
ここでいう「借受希望者との交渉」は、賃料や入居時期などの条件交渉を借受希望者との間で行うことをいいます。周辺の空室状況や市況、シーズン(入居時期)などを勘案しながら最も適切だと思われる選択を賃貸人に提案し、その結果に基づいて借受希望者と交渉していくことが管理業者の業務です。
賃貸人と管理業者との信頼関係が強く、入居者(賃借人)決定に際して一定程度の裁量権が管理業者に付与されているケースもありますが、こうした場合でも借受希望者との交渉の経過を逐一、賃貸人に報告して確認を得ながら交渉を進めていくことが望ましく、最終的な入居者の決定は賃貸人に行ってもらうべきです。そうした点から、管理受託契約時には、受託業務範囲とどこまでの裁量権をもつのかなどを書面などで明確にしておくことが重要になります。
なお、サブリース方式の場合は、賃貸人(転貸人)であるサプリース業者が、入居者(転借人)を最終的に決定する権限があります。
- 管理受託方式
- 賃貸人が、入居者を最終的に決定する
- サブリース方式
- サブリース業者が、入居者を最終的に決定する
借受希望者への審査結果の報告
入居可否の決定がされ次第、速やかに借受希望者へ通知を行います。まずは電話等で連絡するのが一般的ですが、最終的には書面で通知することが望ましいです。また、入居を断る場合には、個人情報保護法の観点から借受希望者から提出された「入居申込書」等の書式を返却します。入居審査において知り得た借受希望者の情報は、他の目的に使用してはなりません。
入居者が決まった場合、当該入居者に「契約締結日」および「その際に必要な書類」等を連絡しておくようにします。