屋根の種類

- 傾斜屋根
- 傾斜をもたせることで雨水等を排水させる形状をした屋根のことで、金属屋根、スレート屋根、瓦屋根の種類がある。
- 陸屋根・ルーフバルコニ
- 平坦な躯体部(スラブ)に防水を施して水勾配、排水溝、排水管を設けて雨水を排水する屋根のことである。
屋根の防水と防水工法の種類
防水とは、建物における水の浸入や透過を防ぐことをいうが、とくに水を透過しない材料を施工する行為そのものをさすことが多いです。そして、防水工法には、用途に応じてさまざまな種類があり、大きくは「メンプレン防水」と「シーリング防水」の2つに分けられます。
なお、シーリング防水というのは便宜上の分類であり、厳密な意味では恒常的な防水性能は期待できないので注意が必要です。
メンブレン防水
屋根・屋上・バルコニー等の全面に薄い皮膜を形成して防水する工法の総称であり、雨水の浸入を防止するために施す面状の防水です。そして、メンブレン防水には下記4つの防水があります。
- 熱アスファルトシート防水
- 改質アスファルト防水
- シート防水
- 塗膜防水
熱アスファルトシート防水
熱アスファルトシート防水とは、アスファルトを加熱溶融して下地に張り付け防水層を形成する防水です。「押さえ層あり」と「押さえ層なし」の2つがあり、「押さえ層あり」とは、アスファルト防水層の上に、コンクリート、プロック、砂利などを設けて防水層を保護する工法です。「押さえ層なし」とは、アスファルト防水層の上に簡易な保護材を設けるだけの工法です。
改質アスファルト防水(合成高分子系ルーフィングシート防水)
改質アスファルト防水とは、合成高分子系材料とアスファルト材料(砂等)とアスファルトを混入して防水性能を高めたものです。「熱アスファルト防水」は、3、4層の防水層を構築するのに対して、「改質アスファルト防水」は、1、2層の防水層で形成できます。そして、屋上に溶融釜などの荷揚げが不要です。
シート防水
合成高分子を主原料としたルーフィングシートを用いて防水層を形成する工法です。
塗膜防水
ウレタンゴム系防水材などを数回に分けて塗布し、防水層を形成する工法です。
シーリング防水
シーリング防水とは、コンクリートの打ち継ぎ部・目地部、接合部等に専用材料(シーリング材)を充填する防水工法の総称であり、雨水の浸入を防止するために施す線状の防水です。
【試験対策】メンブレン防水4種の比較と出題ポイント
メンブレン防水は面状の防水であり、屋上・バルコニー等の広い面を薄い皮膜で覆う工法です。試験では各工法の「層数」「施工方法」「適用箇所」の違いが問われるため、以下の対比で整理しましょう。
工法別の特徴と適用箇所
- 熱アスファルトシート防水:3〜4層で防水層を構築し信頼性が高い。大規模な屋上(RC造の陸屋根等)に多く採用されるが、溶融釜の荷揚げが必要なため高層建物では制約がある。
- 改質アスファルト防水:1〜2層で施工でき、溶融釜が不要。中規模マンションの屋上改修やかぶせ工法に適し、既存防水層の上から施工できる点が実務上の利点。
- シート防水:合成高分子シートを接着または機械固定で張る工法。軽量で工期が短く、露出仕上げの屋上やルーフバルコニーに適用される。
- 塗膜防水:ウレタンゴム系材料を塗布して継ぎ目のない防水層を形成。複雑な形状のバルコニーや小面積の屋上に向き、改修工事でも採用されやすい。
賃管士試験での頻出ポイント
試験では「メンブレン防水=面状」「シーリング防水=線状」という対比が繰り返し出題されます。また、熱アスファルト防水と改質アスファルト防水の層数の違い(3〜4層 vs 1〜2層)や、シーリング防水には恒常的な防水性能は期待できないという点は正誤問題の定番です。各工法の名称と特徴をセットで押さえておきましょう。
屋根メンテナンス
傾斜屋根(カラーベスト等)のメンテナンス
屋根表面にコケ・カビ等が発生したり、塗膜の劣化による色あせ・錆など美観の低下、さらに夏場日差しによる表面温度の上昇、冬場の気温低下による表面温度の低下などを繰り返すことにより、素地自体が変形、ゆがみなどを起こし、割れや雨漏り(「雨漏れ」ともいう)などが発生する場合があります。おおむね、10年前後にて表面塗装を実施します。
陸屋根・ルーフバルコニーのメンテナンス
折板などの金属屋根の場合、錆の発生やボルトキャップの劣化などを点検します。もし、錆をそのまま放置すると腐食を起こし、穴が開くなどして雨漏りの原因になりかねません。また、ルーフバルコニーなどの防水面の膨れや亀裂、立ち上がりのシーリング(つなぎ目、隙間)の劣化などを点検します。
また、陸屋根(りくやね・ろくやね)では、風で運ばれた土砂が堆積したり、落ち葉やゴミが樋(とい)や排水口をふさいだりすると屋上の防水面を破損する可能性があり、漏水の原因にもなります。
※ 樋(とい)とは、雨どい(あまどい)のことで、屋根の雨水を受けて地上に流す装置です。
※ ルーフバルコニーとは、下の写真のように、広いバルコニーで、下の階の屋根部分が、上の階のバルコニーになっているイメージです。
.jpg)
よくある質問
Q. メンブレン防水とはどのような工法ですか?
A. メンブレン防水とは、屋根・屋上・バルコニー等の全面に薄い皮膜(メンブレン)を形成して防水する工法の総称です。雨水の浸入を防止するために施す面状の防水であり、熱アスファルトシート防水、改質アスファルト防水、シート防水、塗膜防水の4種類があります。
Q. メンブレン防水にはどんな種類がありますか?
A. メンブレン防水には、アスファルトを加熱溶融して防水層を形成する「熱アスファルトシート防水」、合成高分子系材料で防水性能を高めた「改質アスファルト防水」、ルーフィングシートを用いる「シート防水」、ウレタンゴム系防水材を塗布する「塗膜防水」の4種類があります。
Q. メンブレン防水とシーリング防水の違いは何ですか?
A. メンブレン防水は屋根や屋上の全面に薄い皮膜を形成する「面状」の防水であるのに対し、シーリング防水はコンクリートの打ち継ぎ部や目地部などにシーリング材を充填する「線状」の防水です。なお、シーリング防水は厳密には恒常的な防水性能は期待できない点に注意が必要です。
Q. 熱アスファルトシート防水と改質アスファルト防水の違いは何ですか?
A. 熱アスファルトシート防水はアスファルトを加熱溶融して3〜4層の防水層を構築する工法です。一方、改質アスファルト防水は合成高分子系材料を混入して防水性能を高めたもので、1〜2層で防水層を形成でき、屋上に溶融釜などの荷揚げが不要というメリットがあります。
Q. 陸屋根の防水メンテナンスではどのような点を点検すべきですか?
A. 陸屋根では、防水面の膨れや亀裂、立ち上がり部のシーリングの劣化を点検します。また、風で運ばれた土砂の堆積や、落ち葉・ゴミによる樋や排水口の詰まりは防水面の破損や漏水の原因となるため、定期的な清掃と点検が重要です。金属屋根の場合は錆やボルトキャップの劣化も確認します。


