水道の種類
水道の種類は、水源の規模、給水事業者などによって多岐にわたります。大きく分けて、水道法の規制を受けるものと、受けないものに分けることができます。
- 水道法の規制を受けるもの
- 水道事業(上水道事業、簡易水道事業)、専用水道、簡易専用水道
- 水道法の規制外のもので条例により規制されるもの
- 小規模受水槽水道(小規模貯水槽水道)、簡易給水水道
専用水道
専用水道とは
専用水道とは、共同住宅、寄宿舍、社宅、療養所等における自家用の水道その他の水道事業の用に供する水道以外の水道であって、100人を超える者にその居住に必要な水を供給するものをいいます(水道法3条6項)。
専用水道の適用基準
- 口径25mm以上の導管の全長1.500mを超えるもの(水道法施行令1条1項1号)
- 水槽の有効容量の合計100㎥を超えるもの(水道法施行令1条1項2号)
- 1日最大給水量が20㎥を超えるもの(水道法施行令1条2項)
専用水道の残留塩素測定
- 毎日行う(水道法施行規則15条1号イ)
- 遊離残留塩素は、平時で0.1mg/1(結合残留塩素の場合は、0.4mg/1)(水道法施行規則17条1項3号)
- 水道法上、報告は義務づけられていない。ただし地方公共団体によって条例または行政指導の可能性はある
専用水道の管理基準
- 水道技術管理者を置く(水道法19条)。
- 定期および臨時の水質検査を行う(5年間保存)(水道法20条)。
専用水道の検査
水道技術管理者が実施します(水道法19条2項)。ただし、検査施設がない場合は地方公共団体の機関または厚生労働大臣の指定機関に委託します(水道法20条)。
専用水道の従事者の健康診断
専用水道の設置者は、指導の管理に従事している者について定期(おおむね6か月ごと)および臨時(病原体がし尿に排泄される感染症が発生した場合、または発生するおそれがある場合)に健康診断を行い、その結果を1年間保存しなければなりません(水道法21条)。
簡易専用水道
簡易専用水道とは
水道事業の用に供する水道および専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいいます(水道法3条7項)。
簡易専用の適用基準
水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるものでなければなりません(水道法施行令2条)。
簡易専用の残留塩素測定
水道法上、残留塩素測定の規制はありません。ただし、地方公共団体等によって条例または行政指導の可能性はあります。例えば、東京都水道法施行細則の場合、設置者は、検査結果を速やかに知事に報告し、報告しない場合、行政指導の対象となります。
簡易専用の管理基準
- 水槽の掃除を毎年1回以上定期に実施(水道法施行規則55条1号)
- 水槽の点検(水の汚染防止)をすること(水道法施行規則55条2号)
- 給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他状態により異常を認めたとき、水質基準のうち必要な事項について検査を行うこと(水道法施行規則55条3号)。
- 人の健康を害するおそれのあるときは給水を停止し、かつ使用の危険を関係者に知らせる措置をとること(水道法施行規則55条4号)。
簡易専用の検査
- 1年以内ごとに1回(水道法施行規則56条)
- 地方公共団体の機関または厚生労働大臣の指定機関に委託(水道法34条の2第2項、第34条の4)
貯水槽水道
「貯水槽水道」とは、水道事業の用に供する水道および専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいいます(水道水道法14条2項5号)。
そして、貯水槽水道には、「簡易専用水道(受水槽の有効容量10㎡を超えるもの)」と「簡易専用水道以外(受水槽の有効容量が10㎡以下のもの)」とがあります。
貯水槽水道の設置者には、受水槽の有効容量が10㎡以下でも、簡易専用水道に準じた管理責任が求められます。
給水のための設備
給水とは
賃貸住宅の賃貸人から建物維持管理の委託を受けた管理業者は、賃借人に対して、「安全で良質な水」を供給しなければなりません。
「安全で良質な水」とは、生活用水として飲用可能な水です。水道法施行規則17条1項3号では「給水栓における水が遊離残留塩素を0.1mg/1(結合残留塩素の場合は0.4mg/l)以上に保持するように塩素消毒を行うこと」と規定しており、建築物環境衛生管理基準に定める水道水の水質基準を満たすとともに、安全で良質な水の供給が確保されていることが必要です。
建物の所有者は、水道本管から分岐した給水管で、直接各住戸に供給する場合を除き、敷地内に引き込まれた給水管の第一止水栓(元栓)以降の水質管理の責任を負うことになります。このため、建物に水槽(受水槽、高置水槽)が設置されている場合は、水槽の定期的な清掃や水質検査等を実施しなければなりません。建築物環境衛生管理基準においては、7日に1回の遊離残留塩素濃度の検査、6か月、1年、3年以内に1回の水質検査、1年に1回の貯水槽の清掃が定められています。
また、給水は、建物上部に設置された高架水槽からの自然流下、増圧ポンプ、または給水本管から分岐した給水管から直接、各住戸まで供給される場合でも適切な水圧が保たれるようにしなければなりません。
給水設備は、衛生器具・装置に機能を満足させる水量を適正な水圧と適切な流速で供給し、ウォーターハンマーや大きな流水音、異常な振動等を生じないように管理します。万が一、住戸内で給湯している最中に水圧が低下すれば、給湯器のガスの燃焼に支障をきたし、機器を壊す可能性があります。逆に、水圧が高すぎると、機器や配管に過剰な負担がかかり、ウォーターハンマー現象や蛇口周りの跳ね回り等を起こし、メーターの故障やバルブの破損等を引き起こすなど、最悪の場合、漏水の原因にもなります。
※ウォーターハンマー(現象)とは、水道管を通る水が、水道管内部の急激な圧力の変化により内側から激しくぶつかってしまう現象のことで、まるで水道管をハンマーで叩いたような大きな音が鳴るため「ウォーターハンマー現象」と呼ばれています。
給水設備の構成
水道直結方式と受水槽方式
給水方式は、「水道直結方式」と「受水槽方式」に大別されます。
「水道直結方式」の場合は、水道法の給水装置に該当し、水道本管から分岐した第一止水栓および量水器(水道メーター)から各住戸の衛生器具・装置までの配管・弁で構成されるため、水道本管の断水時には給水が不可能となります。
「受水槽方式」の場合は、受水槽・高架水槽・揚水ポンプ・揚水配管・給水配管・弁などで、構成されている。高架水槽以降は重力によって必要箇所に給水する方式であり、断水時でも受水槽に貯水した水量で一部給水が可能となります。
給水配管の素材
「架橋ポリエチレン管やポリブデン管」は「耐熱性」と「可とう性」があり、呼び径10~25のものは集合住宅のさや管ヘッダー工法の給水・給湯配管に使用されています。これらの配管は接着剤による接合ができないため、メカニカル接合や融着接合が使用されます。
※ 「可とう性」とは、物体が柔軟であり、折り曲げることが可能である性質のこと
※ 「呼び径」とは、管の外径または内径のこと。簡単に言えば、穴の大きさ
「合成樹脂管」は、耐食性があり、軽量なため施工性もよいが、熱に弱く、温度変化に対する伸縮に注意が必要である。弁(バルブ)には、仕切弁(ゲート弁)逆止弁(チェッキ弁)、減圧弁などが使用されます。これらの材料は、青銅や黄銅、鋳鉄など鋳物製がほとんどです。
給水管(素材)の歴史
1960年代後半までは水道用亜鉛メッキ鋼管(白ガス管)が採用されていたが、給水管内部に錆(さび)が発生しやすく、赤水問題や漏水の問題が頻繁に発生し、社会問題化しました。
1960年代の後半から、これまで問題であった錆(さび)の発生を防ぐため、鋼管の内面に合成樹脂(硬質塩化ビニール)でライニング加工された「鋼管」が開発され、広く使われ始めた。
しかし、エルボ(曲がり)やチーズ(分岐)、ニップル(延長)等の継手類はライニングされていなかったので、管端のネジの部分で水と接触しているところは錆が発生し、管端の腐食を起こしました。その結果、継ぎ手もライニングされるようになり、最近は継手の内側に防食コアを取り付けたものも開発され、管端の錆がかなり防げるようになりました。
塩ビ管は、強靭性、耐衝擊性、耐火性で鋼管より劣るが、軽量で耐食性に優れているので、専有部分や排水管などに多く使われています。
※ライニング加工とは、表面に被膜を作る表面処理のこと。 表面に施した被膜によって、母材(鋼管)の摩擦を減らしたり、耐摩耗、耐酸、耐食や高熱を避けることができます。
飲料水の汚染防止
飲料水は、飲用・調理・洗面・入浴などで使用されるまでの間に汚染されてはなりません。飲料水の汚染の原因としては、以下の原因が挙げられます。
- 「クロスコネクション」や「逆サイホン作用」により一度吐水した水や飲料水以外の水が飲料水配管へ逆流する。
- 受水槽などの開放水槽への異物の混入。
- 機器材料の接水面から飲料水へ有害物質が溶出。
※クロスコネクションとは、飲料水の給水・給湯系統の配管とその他の系統の配管が配管・装置により直接接続されることをいう。分かりやすく言えば、配管を誤って接合してしまった状態です。
※逆サイホンとは、給水主管の断水時や、高置水槽の清掃などで給水が停止しているときに、下層階で大量の水が使用されると、上層階の飲料水配管内が負圧になり、逆サイホン作用で吐水した水(一旦外に出した水)が逆流する現象をいう。
- 逆圧
- 飲料水配管接続先の圧力が飲料水の圧力より高い場合にかかる圧力
- 逆サイホン作用
- 飲料水配管内が断水その他の原因で負圧になった場合、一度吐水した容器内の水が飲料水配管に吸い込まれる現象
水道直結方式
給水方式は、水道本管から分岐した給水管により各住戸へ直接給水する「水道直結方式」と、分岐した給水管からいったん水槽に受けてから各住戸へ給水する「受水槽方式(貯水槽方式)」に大きく分類されます。そして、水道直結方式には「直結直圧方式」と「直結増圧方式」の2つがあります。
直結直圧方式
- 水道本管から分岐された給水管から各住戸へ直接給水する方式。言い換えると、水道水が末端の水栓まで直結で給水される方式。
- 水槽やポンプを介さない給水方式。(水槽・ポンプ不要)
- 水道事業者から供給される給水管の水圧にもよるが、おおよそ小規模で低層の建物が対象。条件によっては3階以上の階にも直結給水できる。
- 給水管を使用するところが直接結ばれているので水が汚染される心配もなく衛生的。
- 水道本管の圧力の変化を直接受けやすいため、水の使用量が大きい建物には適していない。
直結増圧方式
- 水道本管から分岐して引き込んだ上水を増圧給水ポンプで各住戸へ直接給水する方式。言い換えると、水道水を直接増圧給水ポンプで加圧して給水する方式。
- 中規模までのマンションやビルが対象。
- 水槽が不要
- 省スペース化や設備コストの低減ができる。
- 既存マンションが受水槽方式から切り替えるには、給水管の口径や1日当たりの水道使用量、階数等の制限があるので、自治体への確認が必要。
- 断水の際にはまったく水が使用できなくなり、病院、学校、ホテル等には用いられない。
- 水槽の清掃等が不要になるが、毎年ポンプの検査が必要。
受水槽方式
高置(高架)水槽方式
- 水道本管から分岐して引き込んだ上水をいったん受水槽に蓄え、揚水ポンプによって屋上に設置された高置水槽に送水し、重力により各住戸へ給水する方式。言い換えると、水道水をいったん受水槽に貯め、これをポンプで屋上や塔屋等に設置した高置水槽に汲み上げてのち、自然流下で給水する方式。
- 高置水槽の水は、各住戸の水栓が開栓されると自然流下で給水される。
- 圧力変動はほとんどないが重力に頼るので、上階は下階に比べ、水圧が弱いことがある。とくに最上階では、ポンプによる圧力アップが必要なケースもある。
- 2つの水槽に水を蓄えてある(地上と屋上)ので、水道本管が断水しても短時間なら給水できる。
- 停電した場合も高置水槽に水があるので、すぐには断水しない。
圧力タンク方式
- 水道本管から分岐して引き込んだ上水をいったん受水槽に蓄え、その水を加圧給水ポンプで圧力タンクに給水し、圧力タンク内の空気を圧縮し、加圧させて各住戸へ給水する方式。言い換えると、給水した密閉タンクに圧縮空気を送り、必要な水圧を得る方式。
- タンク内で気体と液体が混合しないよう、「隔膜と呼ばれるゴムなどの膜で仕切られた構造の隔膜式」と「直接気体を封入する構造のもの」がある。
- 各住居で水が使用されると水位が低下し、圧力タンク内の圧力が低下する。そして、圧力が低下すると圧力スイッチが検知し、加圧ポンプが稼働し、圧力タンクの必要給水圧力を保持する。
- 高置水槽が不要のため小規模マンションなどでこの方式が採用されてきたが、最近では採用が減少している。いわば、古い昔のマンションで使われているもの。
加圧給水方式(ポンプ直送方式)
- 水道本管から分岐して引き込んだ上水をいったん受水槽に蓄え、加圧ポンプにより加圧した水を直接、各住戸へ給水する方式。言い換えると、給水ポンプを連続運転して加圧給水する方式。
- ポンプは2台あって、通常1台が常時運転し、給水量が増えて給水圧力が低下すると、2台目のポンプが稼働して圧力を維持する。
- 高置水槽が不要であり、高層マンションにも採用されている。
- ポンプ直送方式、タンクレスブースター方式などさまざまな呼び方をされている。
室内の配管方式
先分岐方式
先分岐方式とは、室内に引き込んだ給水管を分岐して、キッチンやトイレ等、各室に給水する配管方式です。
給水管から配管を各室に分岐するため、配管の継ぎ目が多く、2室以上で同時に水を使った際、水圧が落ちる可能性があります。
さや管ヘッダー方式
さや管ヘッダー方式は、洗面所等の水回り部に設置されたヘッダーから管をタコ足状に分配し、各水栓等の器具に単独接続するもので、ガイドとなる樹脂製のさや管内に同じく樹脂製の内管(架橋ポリエチレン管またはポリブテン管)を挿入するものです。
この方式は、給水だけでなく、給湯にも採用され、現在の給水・給湯配管方式として広く普及しています。
さや管ヘッダー方式の特長
- 樹脂管のため、管の内外面の腐食がないため耐久性が高い。
- 万一の配管更新時にも、日常生活に影響を及ぼさず、また床・壁等の内装材を剥がさずに改修可能。
- 内管・さや管ともに樹脂管のため、軽量でフレキシビリティ(熱を加えるとすぐに柔らかくなるので加工しやすい)。ねじ切り加工が不要で、配管途中に継ぎ目がないため、施工性が高い。
- 台所とお風呂など、同時に2箇所以上で使用しても、水量や水圧の変動が少ない。
給水設備等の日常管理
水槽の管理
水槽の清掃中は断水になるため、清掃実施日を事前に掲示板等に掲示し、入居者に通知しておかなければなりません。清掃作業では洗剤の使用や汚水が出るので、第三者に迷惑をかけないように注意が必要です。作業時間は水槽の容量および1槽か2槽かによっても違うが、受水槽だけならば2~3時間を要します。
断水した場合や、水槽清掃が終了して給水を開始したとき、各住戸の水栓から赤水が出ることが多いため、事前に警告をしておく必要があります。通常3~4分流水させるだけで透明に戻ります。
水槽の蓋の鍵は、施錠されていることを日常的に確認します。清掃業者がとくに注意しなければならないことは、作業後水槽内の清掃道具の置き忘れがないかを必ず点検し、蓋の施錠を確認することです。
水槽内には、ボールタップおよび電極棒(電極帯)などが付属しています。これらの付属装置の動作により日常的に受水槽内の水位をコントロールしています。
受水槽の水面が常に適量であるように調節することを液面制御といい、小規模受水槽の液面制御は、ボールタップという浮子(フロート)の浮力で弁の開閉を行い吐出水量を制御しています。
また、大容量の受水槽では、定水位弁と呼ばれる装置で液面制御を行っています。この定水弁は主弁と副弁(パイロット弁)からなり、からなり、副弁の開閉により主弁を動作させる仕組みとなっています。また、ボールタップにかわり液面制御リレーと電極棒により、定水弁を制御する方式もあります。この他、揚水ポンプのON-OFF制御や満・減水警報用として、液面制御リレーと電極棒(電極帯)が付属しています。受水槽内のボールタップや定水弁が故障すると水槽内の水がオーバーフロー管から溢れる現象や、減水した状態でポンプを空転させる不具合事象が発生します。これらの不具合事象を防止するため、液面制御リレーと電極棒により受水槽や高置水槽の液面レベルを常時監視し、異常時には満水・減水警報が発報し、故障を知らせる仕組みとなっています。また、オーバーフロー管や通気管は、大気に開放しているので、虫や小動物の侵入の恐れがあります。これを防止する目的で端部に防虫網が付属しているので、腐食による破損や外れの有無などの状態の確認が必要です。
受水槽・高置水槽の設置に関する規定
受水槽・高置水槽は、完全に密閉されていない開放水槽であるので外部からの汚染を完全に防止することはできません。これらの飲料用水槽では水槽内の水が汚染されないようにするため、飲料用開放水槽の設置について一定の制限を設けています。その内容が以下の内容です。
- 建物内に受水槽を設置する場合においては、外部から受水槽(以下「給水タンク等」という)の天井、底または周壁の保守点検が容易かつ安全に行うことができるように設けること(天井面から100cm 壁面・底面から60cm以上離すこと)。
- 給水タンク等の天井、底または周壁は、建物の躯体と兼用しないこと。→分かりやすく言えば、給水タンク等(受水槽)は、天井・底・周囲の壁から離して設置しなさい、ということです。
- 内部には、飲料水の配管以外の配管設備を設けないこと。
- 内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に直径60cm以上のマンホールを設けること(ただし、圧力タンク等は除く)。
揚水ポンプ
揚水(ようすい)ポンプとは、水を上にあげるためのポンプです。揚水ポンプとしては、給水用渦巻きポンプが一般的です。このほか、加圧給水方式(ポンプ直送方式)に用いられる定圧給水装置、制御機構と一括された増圧給水ポンプユニットなどがあります。
そして、ポンプは、2台で1セットになっており、通常自動交互運転されています。
減水警報が出たときに放置すると、断水を起こすだけでなく、ポンプが空転して焼きつき、壊れることがあるので、警報が出たら速やかに対応しなければなりません。
ポンプは、電動モーターを動力源とする多段(何枚もの羽根車を持つ)タービンポンプが多いです。「加圧給水方式」や「直結増圧給水方式」では、インバーター制御で回転数を変え、給水量をコントロールします。運転制御方法としては、「回転数を制御する変速方式」と、「ポンプの運転台数を制御する定速方式」があります。
高層建物の断水は、揚水ポンプの故障による場合が多いです。ポンプは、一般的に2台のポンプの交互運転になっているため、ポンプの復旧には、ポンプ制御盤のスイッチを自動交互運転の位置から手動運転の位置に切り替え、手動で健全ポンプを稼働させて給水します。
また、水槽内の満減水警報センサー(電極棒)の故障によりポンプが稼働しない場合も、自動から手動へ切り替えて水槽内に給水します。
漏水した場合の対応と給水設備
漏水の発生源は、被害の生じた部屋の上階が多いことから、上階の部屋や横系統のバルブ(仕切弁)を閉めて給水を遮断して、発生源を特定します。
給水を遮断した後も給水メーターが動いているようであれば、給水管が漏水の発生源であることが分かります。