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賃貸住宅管理業法(賃貸管理業法)とは?目的・概要をわかりやすく解説|賃管士試験

賃貸住宅管理業法の正式名称は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(令和2年法律第60号)です。一般に「賃貸管理業法」「管理業法」「サブリース新法」などとも呼ばれます。2020年(令和2年)6月に公布され、サブリース規制部分は同年12月に、賃貸住宅管理業の登録制度は2021年(令和3年)6月に施行されました。賃貸不動産経営管理士試験では頻出の法律であり、条文上の定義や制度の目的を正確に押さえることが合格への第一歩です。以下では、第1条の目的規定から主要な定義まで順に解説していきます。

賃貸住宅管理業法とは

賃貸住宅管理業法は、どういった目的で作られたのか?これは、第1条に規定されています。

第1条 この法律は、社会経済情勢の変化に伴い国民の生活の基盤としての賃貸住宅の役割の重要性が増大していることに鑑み、賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施を図るため、賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度を設け、その業務の適正な運営を確保するとともに、特定賃貸借契約の適正化のための措置等を講ずることにより、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の発展に寄与することを目的とする。

上記の中で重要なことは、賃貸住宅管理業法は「賃貸住宅管理業者の登録制度」と「特定賃貸借契約(サブリース契約)」に関する内容を定めているという点です。

そして、賃貸住宅管理業法で重要なことの1つとして、言葉の意味(定義)があります。これらは一つ一つ覚える必要があるので、復習をしながら覚えていきましょう。

賃貸住宅とは

賃貸住宅とは、下記2つを同時に満たす建物を言います。

  1. 賃貸目的であること
  2. 居住用の家屋又は家屋の部分であること

※家屋とは、建物全体(1棟)を指し、家屋の部分とは、建物の一部を指します。

注意点

  1. 賃貸オフィス賃貸事務所賃貸倉庫は、賃貸住宅に該当しない
  2. 賃貸されている建物が事務所兼住宅の場合、住宅部分賃貸住宅に該当する
  3. 実際に賃貸借契約を締結していなくても、締結予定であれば、賃貸住宅に該当する(例えば、入居募集中の住宅や、募集前の住宅建築中の賃貸住宅等)
  4. 旅館業法の許可を得て、旅館業に利用される住宅は、賃貸住宅に該当しないが、旅館業法に基づく営業を行っていなければ賃貸住宅に該当する
  5. 住宅宿泊事業法(民泊法)の許可を得て、民泊業に利用される住宅は、賃貸住宅に該当しないが、民泊法に基づく営業を行っていなければ、賃貸住宅に該当する

維持保全とは

維持保全とは、住宅の居室及びその他の部分について、①点検、清掃その他の維持を行い、及び②必要な修繕を行うことを言います。

注意点

  1. ①と②の両方を行う行為が維持保全で、どちらか一方しか行わない場合は、維持保全には当たりません
  2. 住宅の居室その他部分両方を対象している場合のみ維持保全に当たるので、エレベーターの保守点検・修繕を行う事業者は、エレベーター部分のみしか対象としておらず、居室部分の保守点検・修繕は行わないので、維持保全には当たりません

管理業務とは

管理業務とは、下記2つのいずれかに該当する場合を言います。

  1. 委託を受けて行う賃貸住宅の維持保全を行う業務
  2. 委託を受けて行う賃貸住宅の維持保全を行う業務賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を行う業務

注意点

  1. 「賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を行う業務」のみ行う場合、管理業務には当たらない例えば、賃貸住宅の維持保全をせずに、賃借人から家賃の回収を行い、賃貸人に渡す行為のみ行う場合は、管理業務には当たらない
  2. 賃貸住宅の維持保全をせずに、入居からの苦情対応のみを行う場合管理業務には当たらない

賃貸住宅管理業者とは

賃貸住宅管理業者とは、国土交通大臣の登録を受けて賃貸住宅管理業を営む者をいいます。つまり、国土交通大臣の登録を受けていない者は、たとえ賃貸住宅管理業を営んでいても、賃貸住宅管理業者には該当しません。

特定賃貸借契約とは

特定賃貸借契約とは、賃貸住宅の賃貸借契約であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるものをいいます。

ただし、賃借人人的関係、資本関係その他の関係において賃貸人と密接な関係を有する者である賃貸借契約は特定賃貸借契約には該当しません

人的関係、資本関係その他の関係において賃貸人と密接な関係を有する者とは

人的関係、資本関係その他の関係において賃貸人と密接な関係を有する者とは、下記のようなもの者です。賃借人が下記の場合、特定賃貸借契約とはなりません。

下記は理解しないと賃貸管理士試験で失点してしまうので、個別指導では、具体例も解説いたします。

  1. 賃貸人が個人である場合の賃貸人の親族
  2. 賃貸人が個人である場合の賃貸人又はその親族が役員である法人
  3. 賃貸人が会社である場合における当該賃貸人の親会社
  4. 賃貸人が会社である場合における当該賃貸人の子会社
  5. 賃貸人が会社である場合における当該賃貸人の関連会社
  6. 当該賃貸人の親会社の子会社
  7. 賃貸人が登録投資法人である場合における当該登録投資法人の資産運用会社の関係会社
  8. 賃貸人が特定目的会社である場合における当該特定目的会社の委託を受けて特定資産の管理及び処分に係る業務を行う者の関係会社
  9. 賃貸人が組合である場合における当該組合の業務執行者又は当該業務執行者の関係会社
  10. 賃貸人が賃貸住宅に係る信託の受託者である場合における当該信託の委託者又は受益者の関係会社
  11. 賃貸人が賃貸住宅に係る信託の受託者である場合で、かつ、委託者等が登録投資法人である場合における当該登録投資法人の資産運用会社の関係会社
  12. 賃貸人が賃貸住宅に係る信託の受託者である場合で、かつ、委託者等が特定目的会社である場合における当該特定目的会社の委託を受けて特定資産の管理及び処分に係る業務を行う者の関係会社

賃貸住宅管理業法の条文構成と主要規定

賃貸住宅管理業法は全44条で構成され、「賃貸住宅管理業の登録制度」と「特定賃貸借契約(サブリース契約)の適正化」の2本柱で成り立っています。賃管士試験対策では、以下の主要条文を正確に押さえることが重要です。

  • 第3条(登録):管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない
  • 第12条(業務管理者の配置):営業所又は事務所ごとに1人以上の業務管理者を配置する義務がある
  • 第13条(重要事項説明):管理受託契約の締結前に、業務管理者等が書面を交付して重要事項を説明しなければならない
  • 第14条(契約締結時書面):管理受託契約を締結したときは、遅滞なく一定事項を記載した書面を交付しなければならない
  • 第16条(財産の分別管理):管理する家賃等の金銭を自己の固有財産と分別して管理しなければならない
  • 第28条(誇大広告等の禁止):サブリース業者は、著しく事実に相違する表示や実際よりも著しく優良・有利と誤認させる広告をしてはならない
  • 第29条(不当な勧誘等の禁止):特定賃貸借契約の勧誘に際し、不実告知や威迫行為をしてはならない

賃貸住宅管理業法に関するよくある質問

賃貸住宅管理業法の正式名称は?

正式名称は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(令和2年法律第60号)です。「賃貸管理業法」「管理業法」「サブリース新法」などの略称でも呼ばれます。

賃貸住宅管理業法の目的は?

賃貸住宅管理業者の登録制度と特定賃貸借契約(サブリース契約)の適正化を通じて、入居者の居住の安定確保と賃貸事業の公正かつ円滑な実施を図ることを目的としています(第1条)。

賃貸住宅管理業法はいつから施行された?

2020年6月に公布され、サブリース規制部分は2020年12月15日に施行、賃貸住宅管理業の登録制度は2021年6月15日に施行されました。段階的な施行である点が試験でも問われます。

賃貸住宅管理業法の対象となる管理業務は?

委託を受けて行う賃貸住宅の「維持保全」、または「維持保全+家賃等の金銭管理」が対象です。維持保全とは居室及びその他の部分について点検・清掃と必要な修繕の両方を行うことを指し、いずれか一方のみでは該当しません。

特定転貸事業者とは

特定転貸事業者とは、特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者をいいます。つまり、借りた住宅を第三者に又貸ししてお金儲けをする事業者特定賃貸事業者です。

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