賃貸住宅管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません。ただし、賃貸住宅管理業に係る賃貸住宅の戸数が200戸未満であるときは、登録を受けなくてもよいです(登録を受けてもいいし受けなくてもいい=任意)(3条1項)。
賃貸住宅管理業の有効期間と更新
そして、賃貸住宅管理業の登録は、5年間有効で、5年ごとに更新を受けなければなりません。もし、更新をせずに、登録期間が経過すると、登録の効力を失い、場合によっては、賃貸管理業を行えなくなります(3条2項)。
登録の更新申請をしたけれども、登録の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分(更新処分)がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なお有効となります。つまり、従前の登録期間が過ぎても、この登録が引き続き有効になるということです(3条3項)。
その後、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算されます(3条4項)。
【具体例】 例えば、令和4年11月10日が有効期間だったとします。更新申請をしたものの令和4年11月25日に更新処分がなされた場合、更新後の有効期間は、令和4年11月11日から令和9年11月10日までとなります。
そして、登録の更新を受けようとする者は、更新手数料として「書面による場合、18,700 円」「オンラインによる場合、18,000 円」を登録申請書に収入印紙を貼って納めなければなりません(3条5項)。
登録の申請方法
賃貸住宅管理業の登録を受けようとする者は、下記事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければなりません(4条1項)。
登録申請書の記載事項
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 法人である場合においては、その役員の氏名
- 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
- 営業所又は事務所の名称及び所在地
上記の登録申請書には、登録を受けようとする者が第6条第1項各号の登録の拒否事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面等を添付しなければなりません(4条2項)。
国土交通大臣による登録の実施
国土交通大臣は、賃貸住宅管理業の登録申請があったときは、登録を拒否する場合を除き、下記事項を賃貸住宅管理業者登録簿に登録しなければなりません(5条1項)。
賃貸住宅管理業者登録簿の登録事項
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 法人である場合においては、その役員の氏名
- 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
- 営業所又は事務所の名称及び所在地
- 登録年月日及び登録番号
国土交通大臣は、登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければなりません(5条2項)。
登録の拒否
国土交通大臣は、賃貸住宅管理業の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければなりません(6条1項)。つまり、下記事由のいずれかに該当する場合、必ず登録拒否されます。
登録拒否事由
下記内容はすべて重要なので、個別指導で細かく解説します。
- 心身の故障(精神の機能の障害)により賃貸住宅管理業を的確に遂行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 登録拒否事由に該当し、又は、不正の手段により登録を受けたとき等により登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
- 上記登録を取り消された者が法人である場合にあっては、当該取消しの日前30日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から5年を経過しない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 賃貸住宅管理業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者(例えば、登録の取消しの処分に係る聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことの決定をする日までの間に、相当の理由なく廃業等の届出をした者で当該届出の日から5年を経過しない者、いわゆる処分逃れをした者)
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記登録拒否事由に該当する者
- 法人であって、その役員のうちに上記第1号から第7号までのいずれかに該当する者があるもの
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
- 賃貸住宅管理業を遂行するために必要と認められる財産的基礎を有しない者
- 営業所又は事務所ごとに業務管理者を確実に選任すると認められない者
国土交通大臣は、上記登録拒否事由に該当することを理由に登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければなりません(6条2項)。
変更の届出
賃貸住宅管理業者は、4条1項の登録申請書の記載事項のいずれかに変更があったときは、その日から30日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければなりません(7条1項)。
国土交通大臣は、上記変更の届出を受理したときは、原則、当該事項を賃貸住宅管理業者登録簿に登録しなければなりません。ただし、登録拒否事由に該当する場合は、登録しなくてもよいです(7条2項)。
上記の変更届出の申請書には、登録を受けようとする者が第6条第1項各号の登録の拒否事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面等を添付しなければなりません(7条3項)。
賃貸住宅管理業者登録簿の閲覧
国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者登録簿を一般の閲覧に供しなければなりません(8条)。分かりやすく言うと、国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者登録簿を誰でも見ることができるようにしないといけないということ。
廃業等の届出
賃貸住宅管理業者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日(死亡の場合のみ、死亡の事実を知った日)から30日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければなりません(9条1項)。
廃業等の届出義務者(届出をする人)
- 賃貸住宅管理業者である個人が死亡したとき、届出義務者はその相続人
- 賃貸住宅管理業者である法人が合併により消滅したとき、届出義務者は消滅法人の代表役員であった者
- 賃貸住宅管理業者である法人が破産手続開始の決定により解散したとき、届出義務者はその破産管財人
- 賃貸住宅管理業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき、届出義務者はその清算人
- 賃貸住宅管理業を廃止したとき、届出義務者は賃貸住宅管理業者であった個人又は賃貸住宅管理業者であった法人の代表役員
いつ登録の効力が失効するか
賃貸住宅管理業者が上記1~5号のいずれかに該当することとなったとき、賃貸住宅管理業の登録は、その効力を失います(9条2項)。