令和元年・2019年賃貸不動産経営管理士試験過去問|問14

建物賃貸借契約の当事者が死亡した場合の相続に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
  1. 借主が死亡し、相続人のあることが明らかでない場合、賃貸借契約は終了しない。
  2. 貸主が死亡し、相続人のあることが明らかでない場合、賃貸借契約は終了する。
  3. 借主が死亡し、複数の相続人がいる場合、貸主が賃貸借契約の債務不履行を理由に解除するためには、相続人の一人に解除の意思表示をすればよい。
  4. 借主が内縁関係にある者と30年にわたり賃貸住宅に同居していた場合、当該賃貸住宅の賃借権の相続に限り、内縁関係にある者も相続人となる。

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【答え:1】
1.借主が死亡し、相続人のあることが明らかでない場合、賃貸借契約は終了しない。

1・・・適切

借主が死亡し、相続人がいない場合、事実上の夫婦や親子関係にあった者(特別縁故者)がいるときは、特別縁故者が賃貸借契約を承継されます(借地借家法36条1項)。

また、特別縁故者もいないときは、相続財産清算人が賃貸借契約の解除等を行う権限を有します。

したがって、借主に相続人がいない場合でも当然に賃貸借契約が終了するわけではありません。よって、本肢は適切です。


2.貸主が死亡し、相続人のあることが明らかでない場合、賃貸借契約は終了する。

2・・・不適切

貸主が死亡し、相続人がいない場合相続財産清算人が賃貸借契約の解除等を行う権限を有します。そのため、賃貸借契約は終了するわけではありません。よって、本肢は、不適切です。


3.借主が死亡し、複数の相続人がいる場合、貸主が賃貸借契約の債務不履行を理由に解除するためには、相続人の一人に解除の意思表示をすればよい。

3・・・不適切

借主が死亡し、複数の相続人がいる場合、貸主が賃貸借契約の債務不履行を理由に解除するためには、相続人全員に対して解除の意思表示をしなければなりません(民法544条1項)。よって、本肢は「相続人の一人」となっているので不適切です。


4.借主が内縁関係にある者と30年にわたり賃貸住宅に同居していた場合、当該賃貸住宅の賃借権の相続に限り、内縁関係にある者も相続人となる。

4・・・不適切

借主が内縁関係にある者と30年にわたり賃貸住宅に同居していた場合、当該内縁関係にある者は「特別縁故者」に当たります。特別縁故者は、相続人とはなりません。つまり、特別縁故者と相続人は異なります。よって、「内縁関係にある者も相続人となる」という記述は不適切です。


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令和元年・2019年の賃貸不動産経営管理士過去問

問1
住生活基本法
問2
賃貸不動産経営管理士
問3
賃貸住宅管理業法
問4
個人情報保護法
問5
賃貸住宅管理業の登録
問6
賃貸住宅管理業者
問7
賃貸住宅管理業法(法改正により削除)
問8
賃貸住宅管理業法(法改正により削除)
問9
賃貸借
問10
賃貸借
問11
広告
問12
借主の募集
問13
普通建物賃貸借・定期建物賃貸借
問14
賃貸借(当事者の死亡)
問15
賃貸借・使用貸借
問16
賃貸借(償還請求権)
問17
借主の義務
問18
賃料
問19
敷金
問20
サブリース
問21
原状回復
問22
原状回復
問23
管理受託契約
問24
住宅宿泊事業法
問25
サブリース
問26
防犯対策
問27
賃貸借(未払賃料)
問28
建築基準法(採光規定)
問29
応急危険度判定・罹災証明書
問30
給水設備
問31
排水・通気設備・浄化槽
問32
換気設備
問33
不動産の調査
問34
プロパティマネジメント
問35
不動産の税金
問36
相続税・贈与税
問37
管理業者の役割
問38
倫理憲章
問39
建物の構造・工法
問40
保険

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