令和元年・2019年賃貸不動産経営管理士試験過去問|問23

管理受託方式の賃貸管理業務に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。
  1. 貸主たる委託者が死亡した場合、特約がない限り、相続人が管理受託契約上の地位を相続する。
  2. 賃貸住宅管理業者は、管理業務の実施状況その他の国土交通省令で定める事項について、管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに、及び管理受託契約の期間の満了後に、委託者に報告しなければならない。
  3. 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約が成立するまでの間に、貸主に対して、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項に関し、必要事項を記載した書面を交付して説明をしなければならない。
  4. 管理業者が貸主の代理として内容証明郵便を送付する行為は弁護士法に違反することはない。
 
  1. ア、イ
  2. ア、エ
  3. イ、エ
  4. ウ、エ

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【答え:2(ア・イが不適切)】
ア.貸主たる委託者が死亡した場合、特約がない限り、相続人が管理受託契約上の地位を相続する。

ア・・・不適切

管理受託方式の賃貸管理業務については、民法の「委任」のルールが適用されます。そして、委託契約は、委任者の死亡により終了します(民法653条)。したがって、貸主たる委託者が死亡した場合、特約がない限り、管理受託契約は終了します。よって、相続人が管理受託契約上の地位を相続することはないです。したがって、本肢は不適切です。


イ.賃貸住宅管理業者は、管理業務の実施状況その他の国土交通省令で定める事項について、管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに、及び管理受託契約の期間の満了後に、委託者に報告しなければならない。

イ・・・適切

賃貸住宅管理業者は、管理業務の実施状況その他の国土交通省令で定める事項について、①1年に1回以上、及び②管理受託契約の期間の満了後遅滞なく、委託者に報告しなければなりません(賃貸住宅管理業法20条、施行規則40条1項)。よって、本肢は正しいです。

関連ポイントも重要なので、個別指導で解説します。


ウ.賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約が成立するまでの間に、貸主に対して、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項に関し、必要事項を記載した書面を交付して説明をしなければならない。

ウ・・・適切

賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、管理業務を委託しようとする賃貸住宅の賃貸人に対し、当該管理受託契約を締結するまでに、管理受託契約の内容等について、書面(管理受託契約重要事項説明書)を交付して説明しなければなりません(賃貸住宅管理業法13条)。よって、本肢は適切です。

関連ポイントも併せて頭に入れておくと、効率的に記憶できるので、個別指導で解説します。


エ.管理業者が貸主の代理として内容証明郵便を送付する行為は弁護士法に違反することはない。

エ・・・不適切

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件等の法律事務を取り扱うことはできません(弁護士法72条)。そして、管理業者が貸主の代理として内容証明郵便を送付する行為は、法律事務に当たるので、弁護士法72条に違反する可能性があります。


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令和元年・2019年の賃貸不動産経営管理士過去問

問1
住生活基本法
問2
賃貸不動産経営管理士
問3
賃貸住宅管理業法
問4
個人情報保護法
問5
賃貸住宅管理業の登録
問6
賃貸住宅管理業者
問7
賃貸住宅管理業法(法改正により削除)
問8
賃貸住宅管理業法(法改正により削除)
問9
賃貸借
問10
賃貸借
問11
広告
問12
借主の募集
問13
普通建物賃貸借・定期建物賃貸借
問14
賃貸借(当事者の死亡)
問15
賃貸借・使用貸借
問16
賃貸借(償還請求権)
問17
借主の義務
問18
賃料
問19
敷金
問20
サブリース
問21
原状回復
問22
原状回復
問23
管理受託契約
問24
住宅宿泊事業法
問25
サブリース
問26
防犯対策
問27
賃貸借(未払賃料)
問28
建築基準法(採光規定)
問29
応急危険度判定・罹災証明書
問30
給水設備
問31
排水・通気設備・浄化槽
問32
換気設備
問33
不動産の調査
問34
プロパティマネジメント
問35
不動産の税金
問36
相続税・贈与税
問37
管理業者の役割
問38
倫理憲章
問39
建物の構造・工法
問40
保険

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