令和元年・2019年賃貸不動産経営管理士試験過去問|問35

不動産の税金に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
  1. 資産管理会社を設立すると、不動産賃貸収入は会社の所得となり、個人の所得が法人を通じて分散し、超過累進税率の緩和を図ることができる一方で、資産管理会社の側では、社会保険に加入するなどのコストがかかる。
  2. 不動産取引では、建物の購入代金や仲介手数料については消費税が課されるが、土地の購入代金や火災保険料については消費税が課されない。
  3. 固定資産税は、毎年4月1日時点の土地・建物などの所有者に対して課される地方税で、遊休土地にアパート等の居住用の家屋を建築した場合には、固定資産税が6分の1又は3分の1に軽減される。
  4. 総合課税の税率は、所得税法上、5%から45%の超過累進税率であるのに対し、地方税法上、住民税の税率は一律10%の比例税率である。

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【答え:3】
1.資産管理会社を設立すると、不動産賃貸収入は会社の所得となり、個人の所得が法人を通じて分散し、超過累進税率の緩和を図ることができる一方で、資産管理会社の側では、社会保険に加入するなどのコストがかかる。

1・・・適切

個人事業を行っており、当該事業について資産管理会社を設立すると(「法人成り」という)、不動産賃貸収入は会社の所得となり、個人は会社から報酬をもらう流れになります。個人事業の場合、所得は、すべて所得税(超過累進税率)として税金が取られるのですが、資産管理会社を設立すると、会社に利益を残し、一部を個人の所得とすることで、税金を押さえることができます。つまり、超過累進税率の緩和を図ることができます。

一方で、会社を設立すると、当該会社は社会保険に加入することが義務となるので、その分コストはかかってきます。


2.不動産取引では、建物の購入代金や仲介手数料については消費税が課されるが、土地の購入代金や火災保険料については消費税が課されない。

2・・・適切

賃貸不動産経営を行う上で消費税が非課税となるものは、「建物の賃料、地代、ローン保証料、火災保険料、保証金・敷金、土地の購入代金」などです。

「土地の購入代金」は非課税ですが、「建物の購入代金」は消費税がかかります。この点は注意しましょう。


3.固定資産税は、毎年4月1日時点の土地・建物などの所有者に対して課される地方税で、遊休土地にアパート等の居住用の家屋を建築した場合には、固定資産税が6分の1又は3分の1に軽減される。

3・・・不適切

固定資産税は、その年の1月1日時点で、土地・建物等を所有している者等に対して市町村が課税する税金です。本肢は「4月1日時点」となっているので不適切です。

なお、住宅用地については、課税標準が軽減される特例(住宅用地の固定資産税の軽減措置)があります。

住宅用地の固定資産税の軽減措置は、賃貸住宅の敷地にも適用されます。小規模住宅用地(1戸当たり200㎡以下の部分)の固定資産税の課税標準は6分の1となり、200㎡を超える部分3分の1となります。

住宅1戸当たりの用地の200㎡以下の部分 固定資産課税台帳の登録価格の1/6
住宅1戸当たりの用地の200㎡超の部分 固定資産課税台帳の登録価格の1/3

4.総合課税の税率は、所得税法上、5%から45%の超過累進税率であるのに対し、地方税法上、住民税の税率は一律10%の比例税率である。

4・・・適切

「総合課税」とは、「所得税の総合課税」を指します。総合課税における所得税の税率は、所得金額195万円以下の部分は「税率5%」、所得金額195万円超330万円以下の部分は「税率10%」、・・・・所得金額4,000万円超の部分は「税率45%」という風に、段階的に税率が上がります。これを、超過累進税率と言います。

一方、住民税一律10%比例税率になっています。


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令和元年・2019年の賃貸不動産経営管理士過去問

問1
住生活基本法
問2
賃貸不動産経営管理士
問3
賃貸住宅管理業法
問4
個人情報保護法
問5
賃貸住宅管理業の登録
問6
賃貸住宅管理業者
問7
賃貸住宅管理業法(法改正により削除)
問8
賃貸住宅管理業法(法改正により削除)
問9
賃貸借
問10
賃貸借
問11
広告
問12
借主の募集
問13
普通建物賃貸借・定期建物賃貸借
問14
賃貸借(当事者の死亡)
問15
賃貸借・使用貸借
問16
賃貸借(償還請求権)
問17
借主の義務
問18
賃料
問19
敷金
問20
サブリース
問21
原状回復
問22
原状回復
問23
管理受託契約
問24
住宅宿泊事業法
問25
サブリース
問26
防犯対策
問27
賃貸借(未払賃料)
問28
建築基準法(採光規定)
問29
応急危険度判定・罹災証明書
問30
給水設備
問31
排水・通気設備・浄化槽
問32
換気設備
問33
不動産の調査
問34
プロパティマネジメント
問35
不動産の税金
問36
相続税・贈与税
問37
管理業者の役割
問38
倫理憲章
問39
建物の構造・工法
問40
保険

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