令和2年・2020年賃貸不動産経営管理士試験過去問|問19

定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 借主が死亡したときに契約が終了する旨の定めは、有効である。
  2. 契約期間が1年未満の定期建物賃貸借契約は、無効である。
  3. 平成12年3月1日より前に締結された居住用建物の賃貸借契約については、契約当事者がこれを合意解約して、新たに定期建物賃貸借契約を締結することは認められていない。
  4. 床面積300㎡未満の居住用建物については、借主が転勤、療養、親族の介護等やむを得ない事情により、建物を生活の本拠として使用することが困難となった場合には、中途解約特約がなくとも、借主は中途解約を申入れることができる。

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【答え:3】
1.借主が死亡したときに契約が終了する旨の定めは、有効である。

1・・・誤り

借地借家法では、定期建物賃貸借契約については、期間満了により終了することとなっています(借地借家法38条1項)。そして、借主が死亡したときに契約が終了する旨の定めは、借主に不利な定め(特約)となるため無効となります(借地借家法38条8項)。


2.契約期間が1年未満の定期建物賃貸借契約は、無効である。

2・・・誤り

定期建物賃貸借契約では、期間を定めることは要件となっていますが、その期間の長さについては制限はありません(借地借家法38条1項)。そのため、契約期間が1年未満の定期建物賃貸借契約も有効です。


3.平成12年3月1日より前に締結された居住用建物の賃貸借契約については、契約当事者がこれを合意解約して、新たに定期建物賃貸借契約を締結することは認められていない。

3・・・正しい

平成12年3月1日より前に締結された居住用建物の賃貸借契約については、契約を合意解除して、新たに定期建物賃貸借契約に切り替えることはできません。よって、本肢は正しいです。

これは、平成11年の借地借家法改正で、定期建物賃貸借契約が創設され、平成12年3月1日から施行されました。定期建物賃貸借契約は、法定更新がなく、期間満了によって、必ず契約が終了となるので、借主から建物を返してほしい時は、そのまま契約終了とし、逆に引き続き住んでほしい場合は、新たに賃貸借契約を締結すればよいです。そのため、賃主(オーナー)の立場としては、大きなメリットがあります。逆に、定期建物賃貸借契約にすると、借主は、期間満了により退去せざるを得ないことになりデメリットです。それを防ぐために、上記ルールがあります。


4.床面積300㎡未満の居住用建物については、借主が転勤、療養、親族の介護等やむを得ない事情により、建物を生活の本拠として使用することが困難となった場合には、中途解約特約がなくとも、借主は中途解約を申入れることができる。

4・・・誤り

床面積が200㎡未満の建物に関する定期建物賃貸借において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約(中途解約)の申入れをすることができます。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了します(借地借家法38条7項:借主からの中途解約)。本肢は「床面積300㎡未満」となっているので誤りです。200㎡とすれば正しい記述となります。関連ポイントも出題されそうなので、個別指導で解説します。


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令和2年・2020年の賃貸不動産経営管理士過去問

問1
不動産業
問2
賃貸住宅管理業者の社会的責務
問3
個人情報保護法
問4
賃貸不動産経営管理士
問5
セーフティネット住宅
問6
サブリース契約
問7
賃貸住宅管理業法
問8
賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
問9
賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
問10
賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
問11
賃貸借
問12
管理受託契約とサブリース契約
問13
契約の成立・契約書
問14
特定賃貸借標準契約書
問15
賃貸住宅標準管理受託契約書
問16
宅建業法
問17
宅建業法
問18
宅建業法・景表法
問19
賃貸借(定期建物賃貸借)
問20
賃貸借(敷金)
問21
賃貸借(賃料の供託)
問22
賃貸借(弁済の充当)
問23
賃貸借(修繕)
問24
賃貸借(解除)
問25
賃貸借と破産
問26
賃貸借(保証)
問27
賃貸借(抵当権)
問28
賃貸借(更新・終了)
問29
建物明渡訴訟・強制執行
問30
賃貸借(廃棄物)
問31
原状回復ガイドライン
問32
原状回復ガイドライン
問33
個人情報の取り扱い
問34
賃貸借(未収賃料の回収)
問35
賃貸借(賃料の増減額請求)
問36
防犯・防火対策
問37
建物の修繕履歴
問38
建物設備(屋根・外壁)
問39
建物設備(漏水)
問40
建物設備(給水設備・給湯設備)
問41
建物設備(電気設備)
問42
保険
問43
贈与税・相続税
問44
不動産所得
問45
プロパティマネジメント
問46
住生活基本計画
問47
賃貸不動産経営管理士の倫理憲章
問48
建築基準法(天井)
問49
不動産の税金
問50
不動産証券化

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