- 借主から新型コロナウイルスに感染したとの連絡を受けて、速やかに貸主及び他の借主に対して、感染した借主を特定して告知した。
- 警察官を名乗る者からの電話による特定の借主の契約内容に関する問い合わせに対し、直ちには回答せず、捜査関係事項照会書により照会するよう求めた。
- 入居の申込に際し、人種の記載は要配慮個人情報として取り扱わねばならない。
- 締結済の賃貸借契約書を普通郵便で貸主に送付した。
1・・・不適切
「新型コロナウイルスに感染した」という情報は、「病歴」に当たります。「病歴」は「要配慮個人情報」に当たるため、第三者に提供する場合には本人の同意が必要です(個人情報保護法27条1項)。そのため、借主の同意を得ずに、貸主及び他の借主に対して、感染した借主を特定して告知することは、個人情報保護法に違反します。
2・・・適切
「捜査関係事項照会書」は、警察から発出される情報開示の要請文書です。簡単にいえば、警察から、「情報提供してください!」との要請を記した文書です。これは、刑事訴訟法に基づく要請です。そのため、捜査関係事項照会書に対して個人情報を提供することは、例外的に認められています(個人情報保護法27条1項1号)。しかし、本肢は、「警察官を名乗る者からの電話による特定の借主の契約内容に関する問い合わせ」です。これは、法令に基づく要請ではないため、もし、個人情報を提供すると、個人情報保護法違反となります。また、そもそも、警察官を騙った詐欺である可能性も考えられます。そのため、その「警察官を名乗る者」に対して、「捜査関係事項照会書により照会(要請)してください!」と求める行為は適切です。
3・・・適切
「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要する個人情報をいいます(個人情報保護法2条3項)。そのため、入居の申込に際し、人種の記載は、要配慮個人情報として取り扱わねばなりません。
4・・・適切
「契約書」は、信書に該当します。信書は、郵便でしか送ることができません。そのため、締結済の賃貸借契約書を普通郵便で貸主に送付することは適切です。できれば、特定記録や簡易書留で郵送した方が、受け取りの確認ができるので良いでしょう。
なお、信書は、「宅配便」や「メール便」で送ることはできません。
令和2年・2020年の賃貸不動産経営管理士過去問
- 問1
- 不動産業
- 問2
- 賃貸住宅管理業者の社会的責務
- 問3
- 個人情報保護法
- 問4
- 賃貸不動産経営管理士
- 問5
- セーフティネット住宅
- 問6
- サブリース契約
- 問7
- 賃貸住宅管理業法
- 問8
- 賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
- 問9
- 賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
- 問10
- 賃貸住宅管理業者登録規程(改正により削除)
- 問11
- 賃貸借
- 問12
- 管理受託契約とサブリース契約
- 問13
- 契約の成立・契約書
- 問14
- 特定賃貸借標準契約書
- 問15
- 賃貸住宅標準管理受託契約書
- 問16
- 宅建業法
- 問17
- 宅建業法
- 問18
- 宅建業法・景表法
- 問19
- 賃貸借(定期建物賃貸借)
- 問20
- 賃貸借(敷金)
- 問21
- 賃貸借(賃料の供託)
- 問22
- 賃貸借(弁済の充当)
- 問23
- 賃貸借(修繕)
- 問24
- 賃貸借(解除)
- 問25
- 賃貸借と破産
- 問26
- 賃貸借(保証)
- 問27
- 賃貸借(抵当権)
- 問28
- 賃貸借(更新・終了)
- 問29
- 建物明渡訴訟・強制執行
- 問30
- 賃貸借(廃棄物)
- 問31
- 原状回復ガイドライン
- 問32
- 原状回復ガイドライン
- 問33
- 個人情報の取り扱い
- 問34
- 賃貸借(未収賃料の回収)
- 問35
- 賃貸借(賃料の増減額請求)
- 問36
- 防犯・防火対策
- 問37
- 建物の修繕履歴
- 問38
- 建物設備(屋根・外壁)
- 問39
- 建物設備(漏水)
- 問40
- 建物設備(給水設備・給湯設備)
- 問41
- 建物設備(電気設備)
- 問42
- 保険
- 問43
- 贈与税・相続税
- 問44
- 不動産所得
- 問45
- プロパティマネジメント
- 問46
- 住生活基本計画
- 問47
- 賃貸不動産経営管理士の倫理憲章
- 問48
- 建築基準法(天井)
- 問49
- 不動産の税金
- 問50
- 不動産証券化